Googleが進めているモバイル高速化プロジェクトAMPに、新たに広告を表示する機能が追加されました。AMP for ads、略称"A4A"と呼ばれるこの広告は、従来のネット広告に比べて高速に表示される仕組みです。ユーザーがAMPの記事を閲覧する際に、邪魔にならない快適さが追求されています。
※The Next Webの記事を元にしています
Google brings its AMP technology to ads for faster load times
Google、AMP対応の高速表示広告"A4A"を公開
通常のネット広告とA4Aの表示スピードを比較したアニメーションが、AMP Projectの公式ブログにて公開されています。以下のアニメーションの、左が通常のネット広告で、右がA4Aです。ページ上部に青いデモ用の広告が表示されます。その早さを体感してみてください。
A4Aを高速表示する仕組み
A4Aを高速表示する仕組みは、いくつかの技術によって支えられています。「海外SEO情報ブログ」からご紹介します。
リクエストとレンダリングの分離
A4Aは、広告のリクエストとレンダリングを完全に分離しています。ページに広告を表示する際に、サーバー側では、オークションなどの処理が発生し、レスポンスに時間がかかることがあります。
一方、ページを表示するクライアント側では、受け取った広告のレンダリングのために、CPUやメモリなどのリソースを消費します。結果、ページのメインコンテンツのレンダリングを遅らせる原因になります。
A4Aでは、両者を分離することで、ページのレンダリングが遅くなることを防いでいます。
AMPのフォーマットに沿った広告
A4AはAMPの仕様に従って構成されるため、表示が遅くなる要素がかなり省かれています。たとえば、A4Aの場合、AMPの仕様に従っているかの有効性を検証するので、バリデーションチェックの時間が短縮されます。その他、今まで広告が自由にできていたことが、仕様により制限がかかっています。
AMP用の解析ツール
広告は、それぞれの広告専用の解析ツールを実装することが珍しくありません。1つのページに3つの広告を表示した場合、3つの解析ツール(JavaScript)が稼働することがあります。これが表示を遅らせる原因になります。
A4Aでは、amp-analyticsを利用して計測するので、1つのコードで複数の解析が可能となっています。
ユーザーの閲覧タイミングで表示
A4Aはスクリーンの見える範囲にある場合にのみ表示される仕組みです。
例えば、ページの下部にある広告は、スクロールして下部に到達してはじめて掲載のための処理が始まります。状況に応じてアニメーションのフレームレートを抑えるなど、ユーザーの閲覧体験を極力阻害しない配慮がなされています。
AMPはオープンソースなのでどの広告ベンダーも使える
AMPはオープンソースです。そのため、どの広告ベンダーもこれを利用してA4Aに対応した広告を配信することが可能です。
A4Aの技術的な詳細は、Githubに載っているので参考にしてみてください。
AMP Ads For AMP Pages ("a4a") · Issue #3133 · ampproject/amphtml · GitHub
参考
But what about the ads? – Accelerated Mobile Pages Project
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