大きな成長が期待されるパブリッククラウドサービス市場ですが、2019年までには、2014年の2.8倍である5404億円へと成長する見込みとなっています。主要なクラウドサービスのプレイヤーの近況(Amazon・Microsoft)と合わせてまとめてみました。
パブリッククラウドサービスとは
パブリッククラウドとは、クラウドサービスを提供する企業(プロバイダー)のコンピューティング環境です。主に企業やビジネスに関わる組織が利用するインターネットのサービスになります。
クラウドサービスの使い方は、利用するユーザーがハードウェアや通信回線などを自分で所有せず、クラウドインフラのベンダーが提供するパッケージされたインターネット環境を共有することで使用する仕組みになっています。
パブリッククラウドの対局にある概念としてプライベートクラウドもありますが、この記事では割愛します。
パブリッククラウドの特徴
パブリッククラウドの特徴を一言で述べると、「共有」です。サーバー本体や、場所、OSを始めとするソフトウェア、そして回線まで、すべてをユーザー自身が所有するのではなく、クアウド環境を通して利用します。
パブリッククラウドサービスを提供する事業者は、自社で大規模なデータセンターを多数抱えている企業であり、そこで蓄積されたノウハウが確立されているため、他企業に提供できると思われます。代表的な企業はGoogleやAmazon、Microsoft、Appleなどです。コンシューマー向けの製品で有名な企業ですが、エンタープライズ製品でも主要なプレイヤーとなっています。
パブリッククラウドのメリット
パブリッククラウドを利用するユーザーのメリットは「ITサービスの調達が手軽」であることです。ユーザーはパブリッククラウドを契約後、「使いたいときに、使う分だけ」利用することが可能で、初期費用もほぼかからない場合が多いです。
OSのバージョンアップやセキュリティなど定期的なメンテナンスも、クラウドプロバイダーが行ってくれるので、運用負荷も軽いです。
パブリッククラウドの市場規模
IDCの調査結果が下記のグラフになります。パブリッククラウド市場は、2014年から2019年までの間におよそ2.8倍に成長すると見込まれています。
最近のトレンドとして、市場拡大のドライバーとなっていたSaaSからIaasへと主役が交代する時期に差し掛かっており、業務アプリケーションをIaaS上に実装し、稼働させるクラウドイネーブルドの動向が加速しています。それと並行して、業務アプリケーションの稼働に必要なミドルウェアやシステムインフラソフトウェアもIaaS上稼働させる動作検証やライセンス体系の整備も進んでおり、当面はこうした機能の利用が市場を牽引するとIDCは見ています。(SaaS、IaaSに関しては、最後に解説記事のリンクを貼っています)
ここまでクラウドサービスの大まかな全体像を見てきましたが、ここからは主要なプレイヤーの近況をまとめています。
Amazon
クラウド市場を今最も賑わしているのがAmazonです。AmazonはAWSというクラウドサービスを提供しており、その売り上げがAmazon全体の売り上げの中で非常に重要な役割を担っています。以下のグラフをご覧ください。
AWSの売り上げは、全体の半分弱くらいでしょうか。ECのイメージが強いAmazonですが、企業向けの製品で手堅い売り上げを上げる仕組みを整えていますね。
AWS が、安定して利益を生み出すエンジンになってきた: それを示す1枚のチャート! | Agile Cat --- in the cloud
Microsoft
勢いのあるAmazonですが、一方でMicrosoftはこの分野でまだまだ強いです。MicrosoftはMicrosoft Azureというクラウドサービスを提供しています。
以下のグラフは、Office365も含まれているためAmazonと単純比較はできませが、毎年確実に売り上げを上げてきています。Microsoftはソフトウェア販売が減速しているため、クラウドサービスには積極的に投資を行っています。今後の展開が気になります。
Microsoft の クラウド 2016 Q1: このペースでいけば $10 billion ビジネスへと成長する | Agile Cat --- in the cloud
参考
プライベートクラウドとパブリッククラウドの違い|クラウドエース(Cloud Ace)
2019年までのパブリッククラウド、プライベートクラウド市場規模を占う | CHANGE-MAKERS
IaaS、PasS、SaaSに関して
IaaS PaaS SaaSの違い|クラウドエース(Cloud Ace)
最後に
この分野、筆者がまだまだ勉強中のため記載内容に誤りがある場合もあります。もしあったらコメントなどで教えていただけると嬉しいです。
とにかくクラウドは注目の分野なので、今後積極的に情報収集しブログにまとめていければと思っています。