SEOでGoogleの注目の機能『Place Actions』の仕様が一般公開されました。Place Actionsとは、Goolgeによれば指定のローカルビジネス情報をschema.orgでマークアップすることで、検索面でレストランのデリバリーや美容室の予約ができるようになるというものです。いわゆる、新しいリッチスニペットです。
Place Actionsが普及すれば、ユーザーのアクションするページが、これまでのバーティカルメディア(飲食店だったら食べログやぐるなび)から、ナレッジパネル内に変わるということです。飲食店などのローカルビジネスにとっては注目の機能ではないでしょうか。
ローカルビジネス情報をschema.orgでマークアップ
2015年11月にGoolgeのヘルプドキュメントに『Place Actions』へのリンクが追加されました。(下記図)Place Actionsを実装することによって、ユーザーは、"注文"や"席の予約"を検索面のナレッジパネルからできるようになります。
Place Actions | Structured Data | Google Developers
schema.orgのLocalBussinessをマークアップすることで、ローカルビジネスに関する情報をGoogleに正確に伝えることができ、この機能は実現されます。マークアップする情報としては、例えば店舗の名前や住所、電話番号、営業時間などです。以下にschema.orgのLocalBusinessで利用出来るプロパティを一覧で記載します。
マークアップする情報の例
- name(名称、必須)
- address(住所、必須)
- geo(経度・緯度、推奨)
- telephone(電話番号、推奨)
- potentialAction(アクション、任意)※詳細は後述
- openingHours(営業時間、推奨)
- menu(メニュー、任意)※飲食店のみ
- acceptsReservations(予約の可否、任意)※飲食店のみ
- department(部課・売り場、任意)※同じ場所で、部課や売り場などを別々に定義したい場合
《参考》
LocalBusiness - schema.org
実際にマークアップした例をGoogleのヘルプドキュメントで見ることができます。フードデリバリーを注文できるレストランの例です。
<script type="application/ld+json">
{
"@context":"http://schema.org",
"@type":"Restaurant",
"@id":"http://davescafe.example.com/",
"name":"Dave's Cafe",
"address":{
"@type":"PostalAddress",
"streetAddress":"123 William St",
"addressLocality":"New York",
"addressRegion":"NY",
"postalCode":"10038",
"addressCountry":"US"
},
"geo":{
"@type":"GeoCoordinates",
"latitude":40.709312,
"longitude":-74.007136
},
"telephone":"+19172423826",
"potentialAction":{
"@type":"OrderAction",
"target":{
"@type":"EntryPoint",
"urlTemplate":"https://www.example.com/daves-cafe-new-york",
"inLanguage":"en-US",
"actionPlatform":[
"http://schema.org/DesktopWebPlatform",
"http://schema.org/IOSPlatform",
"http://schema.org/AndroidPlatform"
]
},
"deliveryMethod":[
"http://purl.org/goodrelations/v1#DeliveryModePickUp",
"http://purl.org/goodrelations/v1#DeliveryModeOwnFleet"
],
"priceSpecification":{
"@type":"DeliveryChargeSpecification",
"appliesToDeliveryMethod":"http://purl.org/goodrelations/v1#DeliveryModeOwnFleet",
"priceCurrency":"USD",
"price":0.0,
"eligibleTransactionVolume":{
"@type":"PriceSpecification",
"priceCurrency":"USD",
"price":12.00
}
}
}
}
</script>
Place Actionsで検索面から"注文"や"予約"を実行する
Place Actionsをマークアップに含めることで、ユーザーは、ナレッジパネルからレストランの予約やデリバーの注文などのアクションができるようになります。こちらが予約の場合のマークアップ例です。
"telephone":"+14085551135",
"potentialAction":{
"@type":"ReserveAction",
"target":{
"@type":"EntryPoint",
"urlTemplate":"https://www.example.com/reserve?merchantId=20373",
"inLanguage":"en-US",
"actionPlatform":[
"http://schema.org/DesktopWebPlatform",
"http://schema.org/IOSPlatform",
"http://schema.org/AndroidPlatform"
]
},
"result":{
"@type":"HealthClubReservation",
"name":"Book a class"
}
}
実装するとナレッジパネル内に予約への導線が追加され、ユーザーはサイトを訪れることなく、直接予約が可能となります。
予約システムの連携については、ローカルビジネスの場合は、もともとGoogleが提供していたDeamnd Forceを利用しているサイトが対象となっています。飲食店の場合はOpen Tableが連携します。
しかし、schema.orgを設定することで、自社システムを含むそれ以外のシステムでも検索結果から予約や注文といったアクションができるようになっています。
まだPlace Actionsの機能はテスト的にはじまった段階で、テスターを募集中です。参加の場合は、こちらのフォームから申請できます。
Reservations, Appointments, Online Booking - Interest Form
バーティカルメディアへの影響
Place Actionsが普及した場合、バーティカルメディアへの影響は大きいでしょう。例えば、飲食店の集客を担う食べログやぐるなびといった企業への影響は、次のようなことが考えられます。
- 集客力の低下(ユーザーとGoolgeが直接やりとり)
- それに伴い、広告力の低下(サイト内広告が売れなくなる)
バーティカルメディアとしての機能が薄れ、その役割をGoogleに取られる可能性があると思われます。いずれにせよ、他の集客面や、ビジネスモデルの検討が必要になってくるかもしれません。今後の普及に注目していきましょう。
《参考記事》
Google Place Actions - A New Rich Snippet Markup Coming Soon?
ローカルビジネスのためのschema.orgの仕様をGoogleが公開。ナレッジパネルから予約や注文も可能に
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