SEOのコンサルティング会社「アイレップ」が、2015年の検索順位変動に関するレポートを公開していたのでご紹介します。2015年の主な変化としては、「まとめサイト」の台頭と、Google側の検索インテント理解の向上だったようです。
Google searches for a new identity
調査方法について
調査は2014年から2015年にかけて行われました。以下本文を引用します。
2014年から2015年にかけて、Google 検索(https://www.google.co.jp/)にて特定クエリで検索した結果の上位20サイト(検索結果画面2ページ目まで)の定点観測データをビジネスモデルごとに分類し、ビジネスモデルごとの表示枠数と表示位置の変遷を比較調査した。なお日本でもっともユーザーが多いのはYahoo! JAPAN検索(http://www.yahoo.co.jp/)と考えられるが、バックエンドがGoogle と同一となるため、検索結果の順位は概ね一致するものとなる。
調査対象のサイトはGoogleの検索品質ガイドラインにおける分類を元にわけているようです。サイトをタイプ別に分けて誰かに説明するのは、なかなか一概に言い切れないところもあり難しいです、Googleが発表しているものが元となっていれば、共通理解も作りやすそうです。ちなみに、分類は目視確認による判定とされています。
調査結果①:エリアキーワードを含んだクエリについて
2014年後半は「比較サイト」が過半数でしたが、徐々に減少し205年後半には検索結果の1ページ目に表示される件数は5件となっています。一方で「wiki・読み物・まとめ」のサイトが増えています。この現象は筆者の感覚と合っていて、例えば「東京エリア×食べもの(ラーメンなど)」のキーワードで検索した際に、MERYやRETRIP、TravelBookなどのまとめサイトが表示されている印象です。
TravelBook(トラベルブック) -知らなかった旅先が見つかる旅行ガイドブック-
調査結果② :「Website」に区分されるクエリに関して
続く調査はGoogle 検索品質評価ガイドラインにおける(特定のページに行きたい意図を表す)「Website」に区分されるクエリに関するものである。Webサイトの分類法としては上記に加え、「コーポレートサイト」(クエリに含まれる企業主体が運営するページ)という定義を新たに設けた。これらクエリに関してはどのような変化が生じているのだろうか。
2014年時点で6位以降にコーポレートサイト以外のページが表示されていましたが、現在はすべてコーポレートサイトが表示されているようです。筆者も試しに「大和証券 オンライントレード」で検索してみたとろこ、すべて大和証券のホープページが表示されておりました。固有名詞のクエリに強い「Wikipedia」は、2014年時点で10位に表示されていましたが、現在は20位以内からも消えてしまったようです。
考察
IREPが発表した資料に記載のものと、筆者の考えが混ざりますがご容赦ください。
「東京 居酒屋」
グルメサイトだけでなく、旅行やアルバイトという異なる業種のサイトが上位に表示されているのが特長です。筆者は先ほども触れた「RETRIP」が、居酒屋系キーワードで上位表示されているのは検知してりましたが、アルバイトは気づいていませんでした。 「東京 居酒屋」のキーワードに「東京エリアの居酒屋でバイトしたい」というニーズがあるとGoogleが判断したのでしょう。
これまでは同業種のサイトを競合とみなし対策していればよかったですが、今後は他の業界サイトも注視する必要がありそうです。また飲食系クエリに限って言えば、旅行やアルバイトのサイトの枠(1ページに表示される10件の内)が今後も存在し続けるのであれば、今までより上位のサイト同士の戦いが激しさを増します。
「証券会社名 オンライントレード」他
これまでGoolgeは検索結果の多様性を出すことで、検索ユーザーのニーズを満たそうと努力してきました。例えば1ページ目には、同じドメインのURLは極力出さないということです。しかし、この例はその真逆をいっています。よりユーザーの検索インテントを理解し、単に多様性を担保する以上の検索品質を目指した結果のように感じます。来年の今頃がどのようになっているか非常に楽しみです。
最後に
筆者としては、スマートフォンの普及がまとめサイトの台頭に関わっていると感じます。UIが縦スクロールでスマホに合っていますし、画面が小さく文字が読み難い中、画像をメインで訴求する点も合っていると思います。
筆者なりに2016年の展望をまとめます。2016年は"誰が言ったか"がより重要になってくる年だと考えています。まとめサイトで情報が探せるようになった一方、そのまとめを作った人がどのような人かは不明瞭です。そのため、すべてのまとめ記事が良質な情報を届けているとは言い難いのが今だと思います。より検索結果の品質を向上させるために、Goolgeは今後情報発信者として信頼できる"誰が言ったのか"を、より強化してくるのではないでしょうか?