Facebookのモバイル高速化プロジェクト「Instant Article」ですが、順調に進んでいるようです。数週間のiPhoneでのテスト後、Androidでも取り組みをスタートし、より早くリッチなモバイルでの読書体験の提供を実現しています。通常のウェブ閲覧よりも、積極的なシェアを促すことに成功しているとのことです。
そもそもInstant Articleとは何か
Instant Articleとは、大手メディアの記事を、Facebookアプリ内で読むことができる機能です。この機能を使えば、ユーザーはリンクをクリックした際、他のサイトに遷移することなく記事の閲覧を楽しむことができます。Smart Newsの「すぐ読む」のような機能のイメージです。"アプリ外に出なくても記事を楽しめる"閲覧体験をユーザーに提供しています。
Instant Articleは2015年の5月に発表されました。昨年2014年に同様のプロジェクト「Paper」を発表し、Facebookから記事の閲覧体験を切り出し、アプリで提供していましたが、これが失敗に終わっています。しかし、Instant Articleは今のところ順調のようです。
参画企業
Facebookの発表によれば、すでに30ヶ国以上、350の媒体がInstant Articleに参画しているとのこと。幾つか企業の例を羅列します。
China
CCTVNEWS, China Daily, CityWeekend
Hong Kong
Apple Daily, Ming Pao Daily News, Oriental Daily News, The South China Morning Post
Indonesia
Detikcom,Kompas.com,Liputan6.com,Merdeka.com, Tribun News, Tribun News – Makassar, Tribun News – Sumsel
Korea
SBS News, The Huffington Post Korea
United States
ABC News, Billboard, Billy Penn, Bleacher Report, Breitbart, Brit + Co, Business Insider, Bustle, BuzzFeed, CBS News, CBS Sports, Citylab, CNET, CNNなど
韓国や中国はすでに展開されていますが、日本は対応企業がないようです。これからの普及に期待が膨らみます。展開国と協業メディアの一覧は、下記URLで見ることができます。
今後の展開
Facebookがメッセンジャー機能をアプリに切り出したことで、Facebookメッセンジャーのユーザー数を好調にのばしているようです。Facebookはこれに続けとばかりに、今は写真共有専用のアプリ「Moments」に力を入れています。この流れにのって、Instant Articleも今後アプリとして切り出される可能性はあるのではないでしょうか。「Paper」のリベンジなるか、期待です。
また一方で、ユーザーを多く囲い込む目的がInstant Articleにはあります。記事コンテンツの力によってユーザーを囲い込んだ後は、Facebookオリジナルのコンテンツを作り、より粘着力の高いサービスにしていくことも考えられます。いずれにしても、今後の展開は注目していきたいです。
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競合の動き
アプリやウェブの高速化は、Googleも力を入れている分野です。今年発表された Accelerated Mobile Pages(アクセレート・モバイル・ぺージズ)プロジェクト通称「AMP」は、Facebookへの対抗施策と見られています。このプロジェクトは検索面で記事コンテンツを高速に表示する仕組みです。詳しくは以下の記事をご参照ください。
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